2010年7月9日金曜日

独白。9

『アルコール依存症診断基準』(アルコール依存症の定義)

「アルコールが切れると出現する症状」

・睡眠障害、不眠、悪夢、覚醒
・ふるえ(手指、躯幹)
・夜間の発汗、心悸亢進、不整脈
・情緒不安定、不安、希死念慮
・てんかん発作(断酒後48時間以内)
・せん妄状態
・意識混濁   
・幻視
・幻聴
・アルコール幻覚症(主に幻聴が持続する)


「精神神経症状、離脱症状」

従来は禁断症状と呼ばれていた。しかし、完全に酒を断たなくても、血中アルコール濃度の低下にともなって生じる症状なので、この用語が使用されるようになった。薬理学では退薬症候とも呼ばれる。(飲酒を中断させて6~96時間を経た時点で次のa~fの6つのうち、1つ以上の症状が認められる場合)

a)睡眠障害:飲酒しないと不穏、苦悶をともなった不眠を生じ、夜間しばしば覚醒し、悪夢をともない、熟睡感がない。

b)振戦:手指、躯幹の振戦を認める。なおその振戦は、もちろん諸種の神経疾患によるものと鑑別を必要とする.

c)自律神経障害:特に夜間、一度寝入ってから発作的な発汗があり、しばしば覚醒する。時に悪寒戦慄をともなう。持続的な心悸亢進を訴え、頻脈または不整脈を認める。

d)情緒障害:情緒過敏状態、高度の不安、希死念慮、支配観念としての強迫的飲酒欲求がある。

e)アルコール離脱けいれん発作:飲酒を突然中断した後(多くは、中断後48時間以内に)強直性-間代性のけいれん発作の臨床的および脳波的発作症状をおこした場合をいう。この場合、一次性てんかんおよびその他の意識障害を伴う発作性疾患を除外する。

f)離脱せん妄状態:飲酒を突然中断した後、意識混濁が生じ、無数の小動物視などの幻視、複数の会話調などの幻聴をともなうせん妄状態ないし、これに準じた状態になった場合をいう。


『飲酒行動の異常』(問題飲酒)

・負の強化への抵抗
・強迫的飲酒欲求による飲酒抑制困難
・連続飲酒発作の出現
・山型飲酒サイクル (飲酒→酩酊→入眠→覚醒→飲酒→酩酊→入眠)
・酒酔い運転、酒気帯び運転の反復
・仕事中の酩酊
・隠れ飲み
・酔うとからむ
・酔うと大暴れする
・毎日純アルコール150ml(清酒換算約5合)以上飲酒する
・短時間での大量飲酒
・テレホニスムス(不適当な時間・場所・距離の電話等)
・真性ディプソマニア(喝酒症)
・その他の飲酒が関与する行動異常


アルコール依存徴候を示す者は、長期経過の結果、以下のような障害を生ずる場合がある。


『アルコール関連精神神経的障害』

・アルコール精神病
・アルコール性てんかん様発作
・アルコール性幻覚症・振戦せん妄
・アルコール性痴呆
・アルコール性コルサコフ精神病
・アルコール性嫉妬妄想
・その他のアルコール精神病


『アルコール関連社会的障害』

・飲酒に関連した社会的地位の低下
・飲酒に関連した離婚やそのおそれ
・飲酒に関連した失職やそのおそれ
・飲酒を上司、配偶者、家族による非難
・飲酒、酩酊による警察保護
・飲酒、酩酊による保護以外の警察問題
・飲酒による欠勤
・飲酒に起因する度重なる転職
・その他飲酒による社会的障害


『アルコール関連身体障害』

「直接表現」
・アルコール性肝炎
・アルコール性小脳変性
・大脳萎縮(アルコール性痴呆)
・アルコール性弱視
・肝硬変
・脂肪肝

「間接表現」
・胃・十二指腸潰瘍
・心筋障害
・ペラグラ
・マロリー・ワイス症候群
・食道静脈瘤
・貧血
・脚気
・多発性神経炎
・膵炎
・血液凝固障害
・筋炎
・ウェルニッケ・コルサコフ症候群(糖尿代謝異常、陰萎など)
・脳炎(ニコチン酸欠乏症)
・その他アルコール起因性が疑われる高血圧、糖代謝異常、陰萎など。


      
       『久里浜式アルコールスクリーニングテスト』

「最近6ヶ月の間に次のようなことがありましたか」という質問が14項目ある。

①酒が原因で、大切な人(家族や友人)との人間関係にひびがはいったことがある。 ある3.7点  ない-1.1点

②せめて今日だけは酒を飲まないと思っても、つい飲んでしまうことが多い。 当てはまる3.2点  あてはまらないー1.1点

③周囲の人(家族、友人、上司など)大酒飲みと非難されたことがある。
ある2.3点  ない-0.8点

④酒量でやめようと思っても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう。 
当てはまる2.2点  あてはまらないー0.7点

⑤酒を飲んだ翌朝に、前夜のことをところどころ思い出せないことがしばしばある。 当てはまる2.1点 あてはまらない0.7点

⑥休日には、ほとんどいつも朝かr酒を飲む。  
あてはまる1.7点 あてはまらない0.4点

⑦二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがときどきある。 あてはまる1.5点  あてはまらないー0.5点

⑧糖尿病、肝臓病、または心臓病と診断されたり、その治療を受けたことがある。 ある1.2点  ないー0.2点

⑨酒がきれたときに、汗が出たり、手が震えたり、いらいらして不眠など苦しむことがある  ある0.8点  ない0.2点

⑩商売や仕事上の必要で飲む。 
よくある0.7点 時々ある0点 めったにない-0.2点

⑪酒を飲まないと寝付けないことが多い。 
あてはまる0.7点 あてはまらないー0.1点

⑫殆ど毎日3合以上の晩酌(ウイスキーなら1/4本以上、ビールなら大瓶3本以上)をしている あてはまる0.6点 あてはまらないー0.1点

⑬酒の上の失敗で警察のやっかいになったことがある ある0.5点 ない0点

⑭酔うといつも怒りっぽくなる あてはまる0.1点 あてはまらない0点

 以上のテストで合計点が0点以上が問題飲酒者、2.0点以上が重篤問題飲酒者である。2.0点以上の人はアルコール依存症である可能性が高いので、早いうちに精神科医に相談したほうがよいとされる。

これは、卵アレルギーを持っている人が一口でも卵を食べてはいけないのと同じ事なのだという。

http://www004.upp.so-net.ne.jp/sekiuchi/js/contents/kast.html

0 件のコメント:

コメントを投稿